Integrative Movement Assessment & Conditioning

 

Integrative Movement Assessment & Conditioning(IMAC)は、統合的に可動域を通して全身の状態を評価し、改善していく方法です。可動域を通して筋骨格系だけではなく、神経系、経絡、臓器の状態も評価できるシステムです。東洋医学と西洋医学、手技療法と運動療法、構造と機能を統合して、体に包括的にアプローチしていけるようになりましょう!スケジュールはこちらです。

 

IMACを学ぼう!
  • 闇雲に体にアプローチするのではなく、全身の状態を把握することで機能不全の原因を鑑別し、体に効率良くアプローチできるようになります。

  • 可動域と経絡・臓器との関係から、動きと生活習慣、環境要因も評価していけます。

  • ​どの可動域制限を改善することが体にとって優先なのか分かるようになります。

  • 実際に行ったアプローチの効果が出ているのか、可動域を通して評価できるようになります。

  • セオリーや理論を検証していくことで、体の関係性の新しい知見を得られるようになります。

  • 初めのクラスがオンラインになり、いつでも学べるようになりました!

臨床例

IMACを通して同じ腰痛の人でもどのように違いが出てくるか、例を用いて紹介していきますね。実際にこういった「パターン」の方を見たことがある方も多いのでは無いでしょうか?IMACでは、直接痛みや症状にはアプローチしないですが、体の状態を的確に把握できると、痛みの原因が分かってきます。また、体の状態は普段の生活習慣や体の使い方も関係しているので、IMACの理解が深まってくるとそれらも含めてどういう状態なのか推測できるようになってきます。より健康な生活を送るために的確なアドバイスもできるようになってくるでしょう。

例1:20代女性。ヨガインストラクター。コーヒーと甘いものが好き。

可動域を見てみると、全身はヨガをやっているだけあり一見すると良く動いているようですが、股関節を外旋して内転すると制限が左側に強く出ています。胸郭下部も左側が開いている状態で、腰は反り気味で、体幹を左に回旋するのが苦手です。息も吐く時間が短く、全身がなかなかリラックスしてきません。左足親指は、少し外反母趾気味です。

この方の場合、IMACの可動域を知っていれば左の「足の太陰脾経」に関わる可動域に制限が出ていると考えることができます。甘いものが好きなのも、この経脈と関係しています。呼気制限も関わりがあります。そこで、「足の太陰脾経」に関わる動きを改善していくと胸郭の位置も正しい位置になり、息も吐けるようになり、今まで左に体を捻る時に代償していた他の部分も改善していくので、腰の反りも良くなっていく可能性が高いですね。腰の反りが減り、息がしっかり吐けるようになって体がリラックスできるようになると、腰の状態も変化してくるのではないでしょうか?

「足の太陰脾経」に関わる動きと筋肉群に関しては、下の可動域の説明の部分でも紹介しているので、見てみて下さい。

例2:60代男性。デスクワーク中心で移動は車。体を動かすのは嫌い。

​同じ腰痛でも、例1の方と違う体だということはプロフィールからでも想像できるのではないでしょうか?この方の場合、可動域は右の股関節を外旋して屈曲する動きに一番出ています。この動きは、「足の少陰腎経」に一番関わりが深いです。筋肉でいうと大腰筋が関わっています。大腰筋の機能は股関節の屈曲ですね。また、車を運転する場合も、右足でアクセルとブレーキを踏むので、右側ばかり屈筋を使うことになります。デスクワークで座っている時間が長いと、さらに股関節屈曲位が助長されてしまいますね。大腰筋は腰椎の前に付着しているので、ここが上手く機能しなくなってくると、腰痛にも繋がっていく可能性があるでしょう。

また、東洋医学では、「足の少陰腎経」が属する五行の中の「水」をサポートしてくれる五味は「鹹(塩味)」だと言われています。もし夜にお酒とおつまみで塩っ辛いものが必要な場合は、ここの制限をできるだけ緩めようとしているからかもしれないですね。さらに目の下にクマが出てきていたら、要注意です。

臨床例まとめ

さて、二つのケースを使って、IMACの可動域からどのように同じ腰痛でも体の状態が全く違うことを評価できるか紹介していきました。ここでは、それぞれ一つだけの可動域制限に絞ってみていきましたが、実際の体はもっと複雑に様々な可動域制限が絡まって出てきます。可動域を通して客観的に体の状態を把握できるようになってくると、上記例のような方に対してどのようにアプローチしていくことが最善なのか分かってくるでしょう。

IMACでは東洋医学的なアプローチだけではなく、機能解剖学の情報から日常の動きの状態も予測できます。また、体の状態と動きを生活習慣や自分の嗜好品も含めてみていくことで、より相手の全体像が見えてくると思います。名探偵に必要な情報を拾い集めるためのツールがIMACです。では、次はどのようにしてIMACの可動域が生まれてきたのか、順を追って説明していきますね。

可動域の考え方

IMACでは可動域制限がある際に、その可動域に関わる筋群と、その筋群に関係する部分の機能不全が原因だと考えます。そして、的確にどの筋肉が関わっているか評価する為に筋肉の機能を三軸で考え、特定の筋肉と周囲の筋肉との機能を比べ、各筋肉特有の可動域を検証してきました。例として、股関節内旋に関わる筋群を見ていきましょう。

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股関節の内旋制限がある場合、その制限に関わる筋群として主に上図のような筋群が考えられます。次に、これらの筋群の中でどこに制限があるか把握するために、屈曲・伸展、外転・内転を加えて内旋することでより詳しく制限の原因になっている部分が特定できます。例えば、外転して内旋により制限がでる場合は、図の外転側の筋群、青色の大腿筋膜張筋・小殿筋前部・中殿部前部に共通する部位に制限があると考え、内転して内旋に制限がでる場合は、図の内転側の筋群、赤色の薄筋・大内転筋垂直線維に共通する部位に制限があると考えることができます。IMACでは、まずこの例のようにキネシオロジーとバイオメカニクスに基づいて全身の関節における筋機能を全て整理することで、各筋肉特有の働きと可動域を三次元的に理解できるようにしています。

可動域と内臓

IMACでは動きと内臓の関係性も考慮していきますが、その考え方になったきっかけに内臓マニピュレーションのセミナーに参加していた時の経験があります。盲腸周囲の筋膜に対して手技でアプローチしたにも関わらず、股関節の可動域が改善し、腸腰筋の筋出力も上がったのです。それ以来、筋肉の働きには周りの筋膜や臓器も影響を与えていると考えるようになりました。そして、内臓の状態を評価する為に神経リンパ反射点を用いてIMACでは内臓と可動域との関係を検証していきました。内臓が変化すると反射点にも変化が出て、さらに可動域も変化します。逆に、特定の臓器と関係が深い可動域が改善した場合も内臓と反射点の状態が変化するのです!

例えば、下図のように脾臓の反射点周囲が硬くなっている時は、実際に脾臓の位置を反射点でモニターして少しだけ動かしていくことができます。臓器が弛緩する位置に持っていくと、反射点も緩むのです。さらに、その際脾臓周囲の筋肉である内腹斜筋の機能にも変化が出ます。逆に、内腹斜筋の働きが手技療法または運動療法で改善すると、反射点、脾臓周囲、下部肋骨の柔軟性も向上します。こうして可動域と内臓の関係が明らかになっていきました。

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可動域と経絡

上記までに検証してきた可動域と内臓の関係が、各経絡の原穴・宗穴に磁石をおいた時にどのように変化するかをまとめていきました。「足の少陰腎経」と「陰蹻脈」は磁石のN極で可動域が向上し、それ以外の経脈はS極で向上するようです。そこで、全ての経絡に対して逆の極性(足の少陰腎経と陰蹻脈はS極、それ以外はN極)で制限をかけた状態で可動域と筋出力を確認していきました。それまでは臨床で制限がある場所で可動域の関係を確認していくしかなかったのが、この磁石の影響の発見により意図的に制限を作ることができるようになり、「地図」を作っていくことが可能になりました。その結果、下図のように各筋群に対してどの経絡が対応しているか分かってきました。

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各経絡と可動域・筋肉の関係

以上全ての情報を、十二正経と奇経八脈、各系と可動域でまとめていきました。ここでは、「足の太陰脾経」の図を一例​として載せておきます。Meridian Movement Methodでも脾経の動作法の動画を紹介しているので、こちらの情報と合わせて活用して下さい。「足の太陰脾経」では内腹斜筋と同じ体幹の同側回旋に関わる広背筋にも影響が出ます。アプライドキネシオロジーでは、広背筋は膵臓に関係する筋肉だと記載されていて、東洋医学では「足の太陰脾経」に関わる臓器は脾臓だけではなく膵臓も含まれると言われているのも興味深いですね。また、糖尿病の方や、甘いものを食べ過ぎた後に制限が出やすいなど、西洋の生理学と東洋の五行色体表との関係もIMACの可動域評価では確認できることが臨床的に分かってきています。

IMAC可動域まとめ

IMACでは、各筋肉の機能を細かく検証していくことから始まり、このような経緯で可動域と臓器、経絡との関係性を発見してきました。セミナーでは、各経絡と可動域、筋肉の関係、そして実際にどのように可動域評価を行なっていくかを学んでいきます。

IMACに影響を与えている療法・思想

IMACは、アスレチックトレーニング、ロルフィング®︎、Muscle Activation Techniques®︎、ソースポイントセラピー、オステオパシー、東洋医学などの概念・思想、体へのアプローチ方法に影響を受けています。

アスレチックトレーニング

西洋医学、整形外科で知られる機能解剖学とバイオメカニクスを通して、IMACでは可動域を用いて客観的に評価していきます。また、怪我、痛み、症状だけに焦点を当てるのだけではなく、パフォーマンスを向上し、傷害を予防するという観点から、未病も含めて全体の健康状態を高めていく考え方がアスレチックトレーニングにはあります。IMACも可動域を通して体の状態を知ることで、自分で自分の健康状態を維持できるようになってもらいたいと願っています。

 

ロルフィング®︎

ロルフィング®︎は、筋膜を中心とした結合組織への手技と、知覚を変化させる動作教育で重力と上手くバランスをとった姿勢と動きを目指していくボディワークです。筋膜を通して見る体の解剖学、軸と付属肢の中心線、部位ではなく他の部分との「関係性」を通して見ていくなどの思想がIMACにも含まれています。

 

Muscle Activation Techniques®︎

MATでは、「可動域制限はその動きに関わる筋肉が抑制されているから起こる」と考えます。これを読むと当たり前だと思うかも知れないですが、可動域や動きの制限がある場合は、「ストレッチ」をする方が一般的です。例えば、前屈や股関節の屈曲に制限がある場合は、後側のハムストリングスや脊柱起立筋をストレッチしましょう!となりますね。しかし、MATでは前側の大腰筋や腹直筋などの前側の筋群が働いていないからだと考えます。IMACもその考え方から始まり、そこから他の可動域との関係性を検証していく中で、動きに関わる色々な「原則」を発見していきました。

ソースポイントセラピー

ソースポイントセラピーは、エネルギーワークの一種です。体を正しく構築し、健全な状態を維持する為には幾何学的なバランスと情報が必要だと考えます。各筋群の特殊な可動域を三次元的に探求していき、体が本来のバランスに近い状態が分かってきたのは、この概念があったからと言えます。また、奇経八脈と十二正経の関係は、ソースポイントセラピーにおける発現のプロセスとも比較検討しています。

オステオパシー

脊柱と自律神経、臓器との関係や、神経リンパ反射点はオステオパシーで知られています。また、発生の働きと機能から体の全体性と相互関係を理解していく体の見方も伝統的オステオパシーに大きく影響を受けています。これに基づき、経絡と肉体との関係を理解する際にも、発生学と絡めてIMACでは考えていっています。頭蓋領域のオステオパシー、バイオダイナミクス、頭蓋仙骨療法、内臓マニピュレーション 、体性臓性反射など、色々な要素が含まれています。

東洋医学

東洋医学の中でも、特に経絡の走行と位置、陰陽五行論との関係がIMACに影響を与えています。一般的に知られる十二正経だけではなく、奇経八脈との関係も検証することで、より体の理解が深まります。経絡や東洋医学の目に見えないものを、可動域を通して客観的に観察できることで、陰陽五行論をはじめ東洋医学で知られていることが実際に検証できています。

​思想と療法のまとめ

このように、IMACは様々な思想や療法の影響を受けています。しかし、体は一つです。そこで、それぞれの療法の良いところを用いてアプローチしていけるように、客観的に体を評価できるシステムとして考案していったのがIMACです。IMAC、可動域という共通言語を通して様々な療法が統合されていき、体の機能がより理解できていき、療法の垣根を超えて様々な領域の人たちがコミュニケーションをとっていけるようになっていくことを願っています。

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